予防接種とは

予防接種のイメージ写真

当院では、インフルエンザや肺炎球菌をはじめとして、各種のワクチン接種を行っています。ワクチンは、感染症を引き起こす病原体の病原性を無力化、または極限まで弱めたもので、これを体内に注入することで、発症することなく免疫を獲得できます。その後、同じ病原体が体内に侵入しても、発症しないか、発症しても重篤なリスクを避けられるようになります。

ワクチン接種は、個人の身を守るだけでなく、接種できない方々を感染のリスクから守るためにも重要です。多くの方が免疫を獲得することで、集団感染を防ぎ、社会全体を守ることができます。

各種ワクチンを準備しています。

ワクチン及び予防薬・健康診断書 各種料金表

成人のワクチン料金

初診料
4,400円(税込)
再診療
1,100円(税込)
診断書(和文)
4,400円(税込)
診断書(外国語:英文、仏文、中文)
13,200円(税込)
  種別 接種
回数
初回 4週 2ヶ月 6ヶ月/
12ヶ月
有効
期間
料金
(1回、税込)
A型肝炎 不活化 3 2回目   3回目
(6ヶ月)
5-10年 7,040円
B型肝炎 不活化 3 2回目   3回目
(6ヶ月)
10年 5,720円
肺炎球菌 不活化 1         8,800円
風疹 2 2回目     10-20年 9,680円
麻疹 2 2回目     10-20年 9,680円
MR 2 2回目     10-20年 12,100円
おたふく風邪 2 2回目     10-20年 9,900円
水ぼうそう 2 2回目     10-20年 12,100円
インフルエンザ 不活化         4,400円
破傷風 不活化 2回目   3回目
(12ヶ月)
  7,700円
帯状疱疹 不活化 2   2回目     24,200円
HPV
(シルガード9)
不活化 3   2回目 3回目
(6ヶ月)
  33,000円
ロタ
(小児 5価)
            13,200円
狂犬病 不活化         2年 17,600円
日本脳炎(渡航)           5年 11,000円
髄膜炎菌
(2歳以降、海外渡航前など)
  1         30.800円
不活化ポリオ
(追加接種)
不活化         10年 13,200円

小児のワクチン料金

小児のワクチン接種は、「NPO法人VPDを知って、子どもを守ろう会」のスケジュールに沿って実施しています。
詳細はこちら

  料金 (1回、税込)
B型肝炎 5,720円
小児用肺炎球菌 8,800円
風疹 9,680円
麻疹 9,680円
MR 12,100円
おたふく風邪 9,900円
水ぼうそう 12,100円
インフルエンザ 1-3歳 2,750円
4歳以上 4,400円
二種混合 7,700円
三種混合 9,680円
HPV
(シルガード9)
33,000円
ロタ(小児 5価) 13,200円
日本脳炎(渡航) 11,000円
髄膜炎菌
(2歳以降、海外渡航前など)
30,800円
5種混合ワクチン
(ジフテリア、百日咳、
破傷風、ポリオ、ヒブ)
24,200円

インフルエンザワクチン

インフルエンザワクチンとは

インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することで発症する呼吸器感染症です。感染力が強く、1~2日の潜伏期間を経てから高熱(38℃以上)や強い寒気、頭痛、風邪のような症状(鼻水、咳、のどの痛み)、関節痛、全身の倦怠感などが現れます。特に子どもや高齢者、免疫力の弱い方が発症すると、肺炎やインフルエンザ脳症(小児の場合)などの重篤な合併症を引き起こすことがあります。

予防策としては、手洗いやうがい、マスクの着用が有効ですが、特に効果的なのはインフルエンザワクチンの接種です。インフルエンザは毎年12月から翌年3月頃に流行しますが、ワクチンの効果は接種後約2週間で現れ、持続期間は約5ヶ月です。そのため、流行期に合わせて遅くとも11月中旬までに接種することをお勧めします。

ワクチンの接種回数は年齢によって異なります。13歳未満の方は2回接種が推奨されており、1回目の接種から2~4週間後に2回目を受けます。13歳以上の方は1回の接種で十分です。

なお、世田谷区では同区民の妊婦さんと生後6ヵ月から中学3年生までのお子様には費用の一部を助成し、65歳以上の高齢者、または60~64歳で身体障害者手帳1級を持っている方には無料で接種を実施しています。詳細は、世田谷区の公式ホームページをご覧ください。

世田谷区「高齢者肺炎球菌予防接種のお知らせ」

肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌ワクチンとは

肺炎は日本人の死因第5位であり、死亡者の95%以上が65歳以上の高齢者です。肺炎の原因は細菌やウイルス、アレルギーや薬剤など多岐にわたりますが、成人の肺炎の2~3割程度は肺炎球菌が原因とされています。

高齢者の肺炎球菌ワクチン接種は定期接種に指定されており、世田谷区でも高齢者肺炎球菌予防接種の一部費用を助成しています。ただし、全ての高齢者が対象ではなく、世田谷区の費用助成の有無に関わらず、過去に1度も23価肺炎球菌ワクチンの接種を受けたことがない方で、65歳の方と、接種日時点で、満60歳以上~65歳未満で、心臓、腎臓、呼吸器、免疫の機能に障害がある方(身体障害者手帳1級相当)が対象となります。

接種期間は65歳の誕生日の前日から66歳の誕生日の前日までです。
接種費用の助成を希望される方は、指定された期間内に接種を行いましょう。

上記の対象ではない高齢者の方も接種は可能ですが、全額自己負担となります。また、前回の接種から5年を経過せずに再び接種すると、注射部位に強い痛みが出ることがあるため、必ず5年以上の間隔を空けてから接種してください。

帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹ワクチンとは

帯状疱疹は水ぼうそうのウイルスが原因で、免疫力が低下した際に発症する可能性がある疾患です。ピリピリとした痛みや発疹が特徴で、特に高齢者では長期間にわたる神経痛が続くケースもあります。これが3ヵ月以上続いていると帯状疱疹後神経痛と診断され、痛みをとるための治療が必要になります。このリスクを軽減するために、帯状疱疹ワクチンの接種が推奨されています。

令和7年4月1日から、帯状疱疹ワクチンは定期接種の対象となりました。対象者は、65歳以上の方、または60~64歳でHIV感染による免疫機能障害がある方(生活に極度の制限が生じている場合)です。

帯状疱疹ワクチンには、1回の接種で完了する生ワクチンと、2回の接種が必要な不活化ワクチンの2種類があります。当院では、より高い予防効果が期待できる不活化ワクチンを採用しています。

HPVワクチン

HPVワクチンとは

このワクチンは、子宮頸がんの主な原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防するためのものです。小児の定期予防接種に指定されており、対象は小学校6年生から高校1年生の年齢に該当する女子です。一般的には、中学1年生相当の年齢になった際に接種が開始されます。

HPVワクチンは、2価・4価・9価の3種類があり、いずれかを選択して接種します。それぞれの特徴として、HPVには複数の型が存在し、予防効果の範囲が異なります。2価ワクチン(サーバリックス)は、HPVの16型と18型を対象としており、これらは子宮頸がんの主な原因とされる型です。4価ワクチン(ガーダシル)は、16型・18型に加えて、6型・11型の予防も可能です。そして9価ワクチン(シルガード)は、4価ワクチンで対応する型に加え、さらに31型・33型・45型・52型・58型にも効果を発揮します。

通常、どのワクチンも計3回の接種が必要です。ただし、9価ワクチンを15歳未満で1回目を接種し、その後6~13ヵ月以内に2回目を受けた場合は、例外的に計2回の接種で完了となります。